比喩表現力
・比喩表現の主なものには直喩(明喩)と隠喩(暗喩)とがある。
ともに2つの事物の類似性を示す修辞法だが、前者は「のよう」、
「みたい」などの語を使い、後者は使わない。
「悪夢のような民主党政権」は「のよう」を使っているので直喩
である。
「民主党政権は悪夢だった」という表現は「のよう」を用いていないので「隠喩」である。「お客様は神様」「奴は悪魔だ」といった言い方も同様に隠喩で、これらの例を見ても分かる通り、隠喩は直喩よりも切れ味が鋭く、引き締まった印象を与える。
”サラ金”の由来
サラリーマン金融は昭和35年頃にスタートした「団地金融」が始まりといわれる。
日本は高度経済成長期に入り、国民の大量消費思考によってクレジットやローンの
ニーズが気に高まる中、無担保・無保証で気軽に借りられるサラ金は庶民金融の
中心的存在へと成長していった。しかし高金利で無差別的な過剰融資はみるみる
多くの返済不能者、多重債務者を生み、暴力的な取り立てからのがれようと
蒸発や自殺、一家心中を図る人が続出し、中には犯罪に手を染める者まで
現れた。「サラ金地獄」と呼ばれ、大きな社会問題になったのである。
業界はメディア各社に「消費者金融と呼んでほしい」と申し入れ、
メディア側もこれを受け入れた。だが消費者対象の融資を業態として
指す場合は「消費者金融」を使うという意味であり、いかなるときでも
「サラリーマン金融」や「サラ金」は使うなという話ではない。
化学vs.うま味
高度成長の頃、世は即席ラーメンの普及とともにインスタント食品時代を
迎えており、化学調味料は一般家庭で広く使われていた。やがて公害が
発生し、国民の自然志向が強まると、化学はむしろ負の語感にまみれていく。
そこで業界は化学調味料に代わる呼称として「うま味調味料」の普及に努める。
だがある映画で味の素の缶をさりげなく配したシーンがいくつか見られ、
時代の空気が匂ってくるようだった。あれが「うま味調味料」である
はずがない。
言い切ることで核心に迫る
中国が巨大経済圏構想「一帯一路」を掲げて途上国に過剰なインフラ
開発融資を行い、返済不能となった相手国の施設に対する支配を
強めている現状がある。中国はインフラ投資で途上国を「債務の罠」
に陥れ、例えばスリランカの港を事実上手中に収めた。モルティブに
至っては国そのものが ”乗っ取られる”として警戒する声もある。
この危機的状況がサラ金地獄に酷似していないとは、どうしていえよう
か。これを隠喩で斬り込んでいくと「中国もAIIBもサラ金だ。」とな
る。